レポートでACOSやROASを見るときは、FBA手数料と販売手数料を更新した後の粗利で判断します。2026年の手数料前提はAmazon FBA手数料 2026年版で確認してください。

Amazon広告レポートは「数字を見る」ではなく「次の変更を決める」ために読む

Amazon広告の管理画面には多くの指標があります。インプレッション、クリック、CTR、CPC、注文、売上、ACOS、ROAS、予算消化、掲載面、検索語句、ターゲティング別成果など、見るべき数字は多いです。

しかし、レポートの目的は数字を眺めることではありません。次の週に何を変えるかを決めることです。Amazon Ads公式のCampaign reportingでは、キャンペーン、キーワード、商品詳細ページ、売上、コンバージョン経路など、広告が買い物客の行動へどう影響したかを理解するための機能として説明されています。

たとえばACOSが悪化していても、原因はひとつではありません。検索語句がズレているのか、入札が高すぎるのか、CVRが低いのか、商品ページが弱いのか、予算配分が悪いのか、掲載面が合っていないのかを切り分ける必要があります。

ACOSの基本はACOSとは?計算方法と改善判断、ACOS改善の実務手順はAmazon広告のACOSを下げる方法、マッチタイプ別の見方はAmazon広告のマッチタイプ完全ガイドも合わせて確認してください。


主要レポートの役割一覧

Amazon Ads公式のReports一覧では、Sponsored Products、Sponsored Brands、Display adsなどで利用できる複数のレポートが整理されています。すべてを毎週同じ深さで見る必要はありませんが、どのレポートがどの判断に効くかは把握しておくべきです。

レポート

主に見るもの

使う判断

関連施策

Search term report

買い物客が実際に入力した検索語句、クリック、売上、注文

成果語句の昇格、無駄語句の除外

完全一致追加、negative keyword追加

Targeting report

設定したキーワード、商品、カテゴリ、マッチタイプ別成果

入札調整、停止判断、拡張判断

入札強化、入札下げ、ターゲティング整理

Campaign report

キャンペーン単位の費用、売上、ACOS、ROAS

予算配分、目的別評価

予算移動、キャンペーン分割

Budget report

予算不足がパフォーマンスへ与える影響

増額候補、予算切れ検知

日予算増額、Budget rules

Placement report

Top of searchなど掲載面別パフォーマンス

掲載面入札調整

プレースメント調整、入札倍率見直し

Search term impression share report

検索語句ごとの広告インプレッションシェア

競合露出、指名検索防衛、表示シェア改善

入札・予算・ターゲティング調整

特にSearch term reportとTargeting reportを混同しないことが重要です。Search term reportは「実際に検索された語句」を見るレポート、Targeting reportは「自分が設定したターゲット」の成果を見るレポートです。


Search term report:検索語句から改善点を見つける

Search term reportは、Amazon広告運用で最も重要なレポートのひとつです。Amazon Ads公式ヘルプでは、このレポートを使って、成果条件を満たす拡張ターゲットを個別ターゲットとして昇格したり、成果の低い検索語句を除外キーワードや除外商品ターゲットとして追加したりできると説明されています。

見る状態

判断

アクション

注文あり・ACOS低い検索語句

成果語句

完全一致へ昇格、入札強化

クリック多・注文なし検索語句

無駄クリック候補

入札下げ、negative exact、商品ページ確認

商品と用途が違う検索語句

除外候補

negative phrase追加

CTR高いが注文なし

商品ページ側の問題も疑う

価格、画像、レビュー、在庫、A+改善

新しい用途語で注文あり

拡張候補

専用広告グループ、商品ページ訴求追加

Search term reportは、キーワードを育てるための材料です。部分一致や自動ターゲティングで見つかった成果語句を、いつまでも探索キャンペーンの中に置いておくと入札と予算を管理しにくくなります。成果語句は完全一致や専用キャンペーンへ移し、探索枠と回収枠を分けます。

キーワード設計はAmazon広告のキーワード設定・マッチタイプ戦略、除外キーワードの判断はマッチタイプ完全ガイドで詳しく解説しています。


Targeting report:キーワード・ASIN・カテゴリ別に入札を見直す

Targeting reportは、設定したキーワード、商品ターゲット、カテゴリターゲットなど、広告主が指定したターゲットごとの成果を見るレポートです。Amazon Ads公式ヘルプでは、少なくとも1インプレッションを受けたターゲットの売上・パフォーマンス指標を確認できるレポートとして説明されています。

Search term reportが「買い物客の実検索語句」を見るのに対し、Targeting reportは「設定ターゲットがどれだけ成果を出したか」を見ます。入札調整、停止判断、ターゲット追加の判断に使います。

ターゲット状態

判断

次の変更

ACOS低・ROAS高・インプレッション不足

機会損失の可能性

入札引き上げ、予算増額

クリック多・注文なし

関連性または商品ページ課題

入札下げ、除外、商品ページ改善

CPC高・CVR低

競争過多または訴求ズレ

入札下げ、別語句へ予算移動

商品ターゲットで注文あり

競合比較で勝てている

類似ASIN拡張、入札強化

カテゴリターゲットで広がりすぎ

無駄クリック増

カテゴリー絞り込み、除外商品追加

Targeting reportを見るときは、マッチタイプ別に分けます。Broad、Phrase、Exactを同じ目線で見ると、探索キャンペーンを悪く評価しすぎたり、完全一致の機会損失を見落としたりします。


Campaign reportとBudget report:予算配分を決める

キャンペーン単位の数字は、予算配分の判断に使います。Campaign reportでは、キャンペーン別の費用、売上、ACOS、ROAS、クリック、インプレッションなどを見ます。Budget reportでは、キャンペーンが予算不足でどの程度機会損失しているかを見ます。

Amazon Ads公式のReports一覧では、Budget reportはキャンペーンが予算切れになった場合にパフォーマンスへどのような影響があるかを確認するレポートとして説明されています。勝ちキャンペーンが予算切れしている場合、ACOS改善の打ち手は削減ではなく再配分です。

状態

見るレポート

判断

アクション

ACOS低いのに配信が止まる

Budget report

日予算不足

予算増額、Budget rules

ACOS高いキャンペーンが予算を消化

Campaign report

削減候補

入札下げ、停止、探索枠へ縮小

新商品キャンペーンのACOS高い

Campaign report

目的確認が必要

学習目的なら上限管理、利益目的なら改善

指名検索キャンペーンのCPC上昇

Campaign report / SIS

競合出稿の可能性

表示シェアと競合状況を確認

予算・入札の考え方はAmazon広告の入札・予算調整、予算切れ対策はAmazon広告の予算ルール完全ガイド、費用設計はAmazon広告の費用ガイドも確認してください。


Placement reportとSearch term impression share report:表示位置とシェアを見る

Placement reportは、広告が表示された掲載面ごとのパフォーマンスを確認するために使います。Amazon Ads APIのPlacement reports説明では、広告掲載面ごとのパフォーマンスデータを確認できるとされています。

一方、Search term impression share report(SIS)は、特定の検索語句でどれだけ広告インプレッションを獲得できているかを見るためのレポートです。指名検索や高収益語句を守る場合、ACOSだけでなく表示シェアも確認します。

見たいこと

使うレポート

判断

Top of searchで成果が出ているか

Placement report

掲載面入札を上げるか下げるか

商品詳細ページ掲載が無駄になっていないか

Placement report

掲載面別CVRとACOSを比較

指名検索を競合に奪われていないか

SIS report

表示シェア不足なら入札・予算を見直す

入札変更で表示シェアが変わったか

SIS report

施策前後のインプレッションシェアを見る

スポンサーブランド広告では、Top-of-search impression shareを目的にした設計も重要です。スポンサーブランド広告の考え方はSponsored Brands実務ガイド、CTR改善はスポンサーブランド広告のCTR改善チェックリストにまとめています。


週次レポートの実務テンプレート

週次レポートは、数字だけでなく変更内容と次アクションまで残します。次のテンプレートでまとめると、代理店・社内担当・経営側の会話が噛み合いやすくなります。

項目

記録内容

次アクション

全体KPI

費用、売上、ACOS、ROAS、注文、CTR、CVR

目標との差分を確認

Search term

成果語句、無駄語句、新規発見語句

完全一致昇格、negative keyword追加

Targeting

キーワード、ASIN、カテゴリ別成果

入札上げ下げ、ターゲット停止

Budget

予算切れ、未消化、増額候補

予算再配分、Budget rules

Placement

Top of search、商品詳細ページなどの成果

掲載面入札調整

商品ページ

CVR低下要因、在庫、価格、レビュー、画像

広告外の改善タスク化

来週の仮説

1つの重点改善テーマ

成功条件と検証期間を決める

週次改善の型はAmazon広告の週次改善チェックリストに詳しく整理しています。レポートを見て終わりにせず、入札、除外、予算、商品ページ改善のどれに反映したかまで残してください。


見落としやすい異常値と対応

異常値

よくある原因

対応

表示は増えたがクリック率が落ちた

ターゲティングが広がりすぎた

Search term reportで意図ずれを確認

クリック率は高いが注文がない

商品ページ、価格、レビュー、在庫の課題

商品詳細ページを改善

ACOSが急に悪化した

CPC上昇、CVR低下、予算配分ミス

Targeting reportとCampaign reportを分解

予算切れが頻発している

勝ちキャンペーンの機会損失

Budget reportを見て増額または再配分

指名検索のCPCが上がった

競合出稿、表示シェア低下

SIS reportと指名語句キャンペーンを確認

ROASは良いが売上が伸びない

配信量不足、入札不足、予算不足

完全一致・高CVR語句の増額を検討

異常値は、1つの指標だけで判断しません。CTR、CVR、CPC、ACOS、ROAS、Search term、Targeting、Budgetを並べて、原因を切り分けます。


代理店・運用担当に確認すべき質問

  • Search term reportから、どの語句を完全一致へ昇格しましたか。
  • どの検索語句をnegative keywordへ追加し、その根拠は何ですか。
  • Targeting reportで入札を上げたターゲット、下げたターゲット、停止したターゲットを説明できますか。
  • Budget reportで予算切れによる機会損失を確認していますか。
  • Placement reportでTop of searchとその他掲載面のACOS/CVRを比較していますか。
  • ACOS悪化を広告側の問題と商品ページ側の問題に分けていますか。
  • レポートの結果を、翌週の入札・除外・予算・商品ページ改善へ反映していますか。

レポート提出だけで改善内容が見えない場合、運用が数字報告で止まっている可能性があります。外部支援を比較する場合はAmazon広告運用代行・代理店の選び方も確認してください。


レポートから原因を特定する診断フロー

週次レポートでは、最初からすべての表を細かく見るより、異常値から順に原因を絞る方が効率的です。次の順番で見ると、広告側の問題か、商品ページ側の問題か、予算配分の問題かを分けやすくなります。

順番

見る指標

使うレポート

判断

1

費用、売上、ACOS、ROAS

Campaign report

全体で悪化しているのか、一部キャンペーンだけかを確認

2

検索語句、クリック、注文

Search term report

成果語句と無駄語句を分ける

3

キーワード、ASIN、カテゴリ別成果

Targeting report

入札を上げる・下げる・止める対象を決める

4

予算切れ、未消化

Budget report

勝ちキャンペーンが止まっていないか確認

5

Top of search、その他掲載面

Placement report

掲載面別の入札調整を決める

6

表示シェア、競合露出

SIS report

指名語句・高収益語句を守れているか確認

たとえばACOSが悪化した場合、まずCampaign reportで悪化キャンペーンを特定します。次にSearch term reportで無駄語句が増えていないかを見ます。検索語句が合っているのにCVRが低い場合は、Targeting reportだけでなく商品ページの価格、画像、レビュー、在庫を確認します。

30日でレポート運用を整える改善プラン

レポート改善は、毎週の数字を見て終わりにしないための運用設計です。初月は、まずレポートの取得対象を固定し、次に判断基準をそろえ、最後に改善アクションへ落とし込みます。

期間

作業

成果物

1週目

Campaign / Search term / Targeting / Budget reportを同じ期間で取得する

週次レポートの正本フォーマット

2週目

成果語句、無駄語句、予算切れキャンペーンを分類する

完全一致昇格リスト、除外候補、増額候補

3週目

入札変更、negative keyword追加、予算移動を反映する

変更ログと変更理由

4週目

変更前後のACOS/ROAS/CTR/CVRを比較する

継続、停止、拡張、商品ページ改善の判断

この30日プランでは、レポートを「見る資料」から「変更の根拠」に変えます。代理店に任せる場合も、毎週の報告で、どのレポートを根拠に何を変更したのかを残してもらうと、改善の再現性が上がります。



CVRが低い場合の追加確認: CTRやACOSだけで判断できない場合は、商品ページ・検索語句・予算切れを30分で点検する Amazon広告のCVR改善チェックリスト も確認してください。

Search term、Targeting、Budget、Placementの各レポートを見る前提として、CTR、CPC、CVR、ACOS、ROASの定義をそろえておくと判断がぶれにくくなります。各指標の読み方はAmazon広告指標の読み方ガイドで確認できます。

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GoalTechでは、Amazon広告レポートの読み解き、Search term report分析、除外キーワード、入札・予算調整、代理店レポート監査まで支援しています。レポートはあるが次の改善に落ちていない、ACOS悪化の原因が分からない場合は、下記からご相談ください。

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週次の数値確認を改善ロードマップまで落とし込む場合は、Amazon広告レポート設計と改善ロードマップ も参照してください。

出典・参考文献