Prime Day向け: 通常月の予算・入札設計をイベント用に落とし込む場合は、Prime Day広告予算表で、日予算、Budget rules、入札調整、終了後の戻し方を確認してください。

日予算や入札を決める前提として、FBA配送代行手数料・販売手数料・粗利を更新しておく必要があります。2026年の手数料前提はAmazon FBA手数料 2026年版を確認してください。

Amazon広告の予算は3つに分けて考える

Amazon広告の予算設計で最初に決めるべきなのは、月額いくら使えるかではありません。まず、広告費を「検証予算」「伸ばす予算」「守る予算」に分けます。検証予算は新しいキーワード、ASIN、商品、広告商品を試すための枠。伸ばす予算は、Search term reportやTargeting reportで勝ち筋が見えているキャンペーンへ寄せる枠。守る予算は、ブランド指名、主力ASIN、セール、在庫消化など、止めると事業影響が大きい枠です。

この3つを分けないと、検証中の無駄クリックが主力商品の予算を食いつぶしたり、勝ちキャンペーンが昼で予算切れして機会損失になったりします。Amazon Ads公式のSponsored Products best practicesでも、頻繁に予算切れするキャンペーンには予算追加を検討し、過剰・低成果のキャンペーンから高成果キャンペーンへ再配分する考え方が示されています。

予算枠

目的

見る指標

判断

検証予算

新語句・新ASIN・自動ターゲティング

impressions、clicks、CPC、CVR

短期ACOSだけで止めず、仮説ごとに上限を決める

伸ばす予算

勝ち語句・高CVR商品を伸ばす

ACOS、ROAS、TACOS、在庫、粗利

予算切れなら増額候補

守る予算

ブランド指名・主力ASIN・セール維持

売上、CVR、在庫、Placement

日中停止しないようBudget rulesも検討

広告商品の全体像は Amazon広告とは?スポンサー広告の種類・費用・始め方、費用全体の考え方は Amazon広告の費用ガイド で整理しています。

日予算の決め方:月額予算から逆算する

Sponsored Productsのdaily budgetは、キャンペーンが1日に使う平均予算です。Amazon Ads公式の予算ガイドでは、日予算はカレンダー月を通じて平均され、特定の日には平均日予算より最大25%多く使われる可能性がある一方、月間では設定した平均日予算に日数を掛けた範囲に収まると説明されています。つまり、月額10万円を広告費として使う場合、単純に30日で割った日予算だけでなく、日別の上振れ、セール日、週末、在庫状況を見て管理する必要があります。

実務では次の順番で決めます。

  1. 月額広告費の上限: 使ってよい総額。代理店費、クリエイティブ費、ツール費も別枠で見る。
  2. 商品別の許容広告費: 粗利、FBA手数料、クーポン、返品、在庫を含めて商品ごとに上限を決める。
  3. 目標ACOS/ROAS: 損益分岐ACOSと成長投資ACOSを分ける。
  4. 必要クリック数: CVRから必要注文数を逆算し、CPCを掛けて必要広告費を出す。
  5. 日予算: 月額予算をキャンペーン目的別に配分し、勝ち枠へ厚くする。

たとえば、平均注文額5,000円、粗利率30%、目標ACOS25%、CVR10%、CPC80円なら、1注文あたり許容広告費は1,250円、10クリックで1注文、10クリックの広告費は800円です。この条件ならまだ余地があります。一方、CPCが160円に上がりCVRが5%へ落ちると、20クリックで1注文、広告費は3,200円になり、目標ACOSを超えます。入札だけでなく、商品ページ、検索語句、価格、レビューを同時に見なければいけない理由です。

入札戦略:Dynamic bidsとFixed bidsの使い分け

Amazon AdsのSponsored Productsでは、Dynamic bids - down only、Dynamic bids - up and down、Fixed bidsを使い分けます。Amazon Ads公式のBidding strategiesでは、down onlyは売上につながりにくいクリックで入札を下げ、up and downは売上につながりやすいと判断されるクリックで入札を上げ、可能性が低いクリックでは下げる考え方が説明されています。Fixed bidsは設定したbidを基準に使います。

入札戦略

向いている場面

注意点

Dynamic bids - down only

検証中、予算を守りたい、ACOS悪化を抑えたい

機会を取り切れない場合がある

Dynamic bids - up and down

勝ち語句、高CVR商品、セール、在庫十分な主力ASIN

上限、予算切れ、Placement差を必ず見る

Fixed bids

比較検証、厳密に入札管理したいキャンペーン

環境変化に追随しにくい

最初はdown onlyで検証し、Search term reportで勝ち語句が見えたらExact campaignへ移し、利益が合う語句だけup and downやplacement adjustmentを検討する流れが安全です。マッチタイプの整理は Amazon広告のマッチタイプ完全ガイド、キーワード設定は Amazon広告のキーワード設定・マッチタイプ戦略 を確認してください。

Placement bid adjustmentの判断

Placement bid adjustmentは、Top of search、rest of search、product pagesなどの配信面で成果が違うときに使います。Amazon Ads公式のSponsored Products best practicesでは、top of search、rest of search、product page placementsのパフォーマンスを見てplacement bidsを調整する考え方が示されています。ただし、Top of searchで売れているからといって、無条件に大きく上げるのは危険です。

週次では、Placement reportを見て次のように判断します。

  • Top of searchでCVR高く、ACOS良好: 入札調整候補。ただし在庫と日予算を確認。
  • Top of searchでクリック多いが売れない: 商品ページ、価格、検索意図を確認。増額しない。
  • Product pagesで成果が良い: 商品ターゲティングcampaignを分け、競合ASIN/補完ASINを精査。
  • Rest of searchで広く拾える: 探索枠として維持し、勝ち語句をExactへ移す。

Placementを上げる時は、「対象キャンペーン」「上げ幅」「上限日予算」「停止条件」「翌週見る指標」をセットで残します。変更履歴がないと、翌週ACOSが悪化したときに原因が追えません。レポートの読み方は Amazon広告レポートの読み方完全ガイド を参照してください。

Budget rulesを使うべきタイミング

Budget rulesは、特定期間や成果条件に応じて予算や入札を自動調整するための機能です。Amazon Ads公式のbudget rulesガイドでは、特定の期間やパフォーマンス目標に応じて予算・入札を自動調整できる機能として説明されています。Prime Day、タイムセール、季節需要、在庫消化、週末需要など、明確な期間や条件があるときに向いています。

ただし、Budget rulesは「予算を増やせば売上が伸びる」キャンペーンにだけ使うべきです。検索語句が荒れている、CVRが悪い、商品ページが弱い、在庫が薄い、ACOSが悪化しているキャンペーンにルールをかけると、無駄クリックも自動で増えます。まず Amazon広告の週次改善チェックリスト で勝ち語句・除外語句・予算切れを整理し、Amazon広告のACOSを下げる方法 で改善余地を潰してから適用します。

予算切れ時の判断テンプレート

キャンペーンがout of budgetになったときは、すぐ増額するのではなく、次の4象限で判断します。

状態

判断

次のアクション

予算切れ + ACOS良好 + 在庫十分

機会損失の可能性

日予算増額、Budget rules、勝ち語句強化

予算切れ + ACOS悪化

無駄クリックも消費している

Search term除外、入札下げ、商品ページ改善

予算余り + CVR良好

表示機会不足

入札、target量、Placement、商品適格性を確認

予算余り + CVR悪化

受け皿やターゲットが弱い

商品ページ、価格、レビュー、検索語句を見直す

Amazon Ads公式の予算ガイドでも、予算を使い切ってコンバージョンがある場合は増額や低成果キャンペーンからの再配分が選択肢になり、予算を使い切っているがコンバージョンがない場合は入札、ターゲティング、商品詳細ページの最適化が必要だと説明されています。実務では、この判断を週次会議の最初に入れてください。

代理店・運用代行に確認すること

Amazon広告の予算と入札は、代理店に任せるほどブラックボックスになりやすい領域です。毎週、次の質問に答えられるか確認してください。

  • 今週、どのキャンペーンがout of budgetになり、どれを増額候補にしたか。
  • 日予算を上げたキャンペーンは、どの検索語句・商品・Placementで利益が合っているか。
  • Dynamic bids - up and downを使っているキャンペーンの上限・停止条件は何か。
  • Budget rulesを設定している場合、期間、条件、上限、解除日が明確か。
  • 低成果キャンペーンから高成果キャンペーンへ予算を移した履歴が残っているか。
  • 広告費だけでなく、FBA手数料、粗利、在庫、TACOSを見ているか。

GoalTechでは、Amazon広告の予算設計、入札戦略、週次レポート、商品別採算、代理店運用の見直しを支援しています。予算を増やす前に、どこへ投資すべきかを整理したい場合は、GoalTechのお問い合わせフォームからご相談ください。支援先の選び方は Amazon広告運用代行・代理店の選び方 でも整理しています。

ACOSから逆算する予算・入札テンプレート

予算と入札を決めるときは、目標ACOSから逆算する表を1つ作っておくと判断が速くなります。必要な項目は、平均注文額、粗利率、FBA手数料、クーポン/値引き、目標ACOS、想定CVR、想定CPC、在庫日数です。これを商品別に並べると、同じCPCでも投資できる商品と抑える商品が分かれます。ACOSとROASの定義、損益分岐の考え方は ACOS/ROAS/TACOSの改善判断 で詳しく整理しています。

項目

確認する理由

予算・入札への反映

平均注文額

1件あたり広告売上の上限

高単価ならCPC許容幅が広がる

粗利率

広告費を吸収できる余力

低粗利商品はdown onlyや低めのbidから開始

CVR

何クリックで1注文になるか

CVRが低い商品は商品ページ改善が先

CPC

1クリックの購入コスト

勝ち語句は上げ、探索語句は上限を決める

在庫日数

売れても欠品しないか

在庫薄なら予算を抑える

TACOS

総売上に対する広告費の重さ

広告売上だけでなく事業全体で判断

たとえば、目標ACOSを25%に置く商品で、平均注文額が4,000円なら、1注文あたりの広告費上限は1,000円です。CVRが10%なら10クリックで1注文なので、許容CPCは100円です。実CPCが150円なら、入札を上げる前に商品ページCVRを改善するか、検索語句を絞る必要があります。逆にCVRが20%なら5クリックで1注文なので、同じ目標ACOSでも許容CPCは200円まで上がります。週次でこの計算を商品別に更新すると、予算を増やすべき商品と止めるべき商品が明確になります。

セール・繁忙期・在庫消化での予算ルール

Prime Day、ブラックフライデー、タイムセール、季節需要、在庫消化では、通常週とは別の予算ルールが必要です。Amazon Ads公式のBudget rulesでは、特定期間やパフォーマンス目標に応じて予算・入札を自動調整できると説明されています。ただし、ルールを使う前に、対象キャンペーンが本当に増額に耐えられるかを確認します。検索語句が荒れている、CVRが低い、在庫が薄い、商品ページが弱い場合、Budget rulesは問題も一緒に拡大します。

セール前は、通常時の30日データから勝ち語句、勝ちASIN、Top of searchの成果を確認し、セール期間だけ日予算を上げる候補を決めます。セール中は、out of budget通知、CPC上昇、CVR変化、在庫日数を日次で見ます。セール後は、通常予算へ戻す日付を必ず設定します。戻し忘れると、セール後の低CVR期間に高い予算だけが残ります。具体的な予算ルールの考え方は Amazon広告の予算ルール完全ガイド も確認してください。

代理店や社内担当に任せる場合も、「いつ上げるか」だけでなく「いつ戻すか」を依頼内容に含めてください。予算増額、bid adjustment、Budget rules、Dynamic bids - up and downを同時に動かすと、成果が良くても悪くても原因が追えなくなります。1回の変更では、できるだけ変更変数を絞り、翌週のレポートで結果を確認します。

日予算や入札を変える前に、CTR、CPC、CVR、ACOS、ROASのどこが崩れているかを分けると、増額すべきキャンペーンと止めるべき語句を判断しやすくなります。指標の読み順はAmazon広告指標の読み方ガイドで確認できます。

あわせて読みたい

プライムデーのような需要期に向けた予算・入札設計は、Amazonプライムデー2026 広告準備ガイドで具体的に解説しています。

出典・参考文献

※本文中の予算、入札、Budget rules、日予算の考え方は2026年6月22日にAmazon Ads公式情報で確認しています。実際の表示項目や設定可否はアカウント、国、広告商品によって変わる可能性があります。