Amazon広告制作を検討するとき、最初に整理したいのは「何を作るか」ではなく「どの広告面から、どのページへ、誰を動かすか」です。Amazon広告には、商品情報を中心に表示する広告、画像や動画でブランドを伝える広告、Amazon内外へ配信するディスプレイ広告、Prime Videoなどに表示するストリーミングTV広告があります。広告の種類によって、制作物、仕様、審査、改善方法が変わります。
この記事では、Amazon広告の画像・動画クリエイティブを制作する方法、自社制作と外注の判断基準、費用と納期を左右する項目、制作会社や広告代理店を選ぶポイントをまとめます。広告タイプの全体像を先に確認したい方は「Amazon広告の種類と使い分け」もあわせてご覧ください。
Amazon広告制作で必要なクリエイティブ
Amazon広告の制作範囲は、広告枠に表示される素材だけではありません。クリック後の商品詳細ページやBrand Storeが広告のメッセージとつながっていなければ、興味を持ったユーザーが購入検討を続けにくくなります。制作対象は、次の3層に分けると整理しやすくなります。
- 広告クリエイティブ:商品画像、ライフスタイル画像、ロゴ、見出し、動画、音声
- 遷移先のコンテンツ:商品詳細ページ、A+商品紹介コンテンツ、Brand Store、外部LP
- 運用に必要な設計:訴求軸、ターゲット、配信フォーマット、審査対応、検証パターン
たとえばスポンサープロダクト広告は、独立したバナーを毎回作るというより、商品詳細ページのタイトル、メイン画像、価格、レビュー、在庫などが広告表示とクリック後の成果に直結します。一方、スポンサーブランド広告ではロゴ、見出し、画像または動画を使い、Brand Storeや商品詳細ページへ誘導します。Amazon DSPやストリーミングTV広告では、掲載枠に合わせた画像・動画・音声の制作が必要です。
広告・ページ | 主な制作物 | 制作時の重点 |
|---|---|---|
スポンサープロダクト | 商品画像、商品名、商品詳細ページ、A+ | 検索意図と商品情報の一致、購入判断に必要な情報 |
スポンサーブランド | ロゴ、見出し、画像、動画、Brand Store | ブランド訴求、複数商品の見せ方、遷移先との一貫性 |
スポンサーディスプレイ | 商品情報、カスタム画像、動画 | オーディエンスと掲載面に合う短い訴求 |
Amazon DSP・REC | ASIN、ロゴ、見出し、画像、動画 | 複数サイズへの展開、動的な商品情報、検証量 |
Prime Video・ストリーミングTV | 映像、音声、コピー、ロゴ、入稿マスター | テレビ視聴、尺、セーフゾーン、審査、検索想起 |
Brand Storeまで含めた設計は「Amazonブランドストアの作り方」、Prime Video広告の具体的な映像構成は「プライムビデオ広告の動画事例と制作仕様」で詳しく解説しています。
自作・Amazon公式ツール・制作会社の違い
Amazon広告の制作方法は、大きく「自社で制作する」「Amazon公式のセルフサービスまたは制作支援を使う」「制作会社・広告代理店へ依頼する」の3つです。どれか一つに固定せず、目的やフォーマットに応じて組み合わせます。
自社で制作する
ブランドガイド、商品画像、動画素材、編集担当者がそろっている場合は、自社制作によってスピードを上げられます。既存のSNS動画を流用する場合も、比率、尺、文字サイズ、音声、CTAをAmazonの掲載枠に合わせて再編集することが重要です。単純なリサイズだけでは、広告の目的や視聴環境に合わないことがあります。
Amazon公式のAI・制作ツールを使う
Amazon Adsは、画像生成、動画生成、音声生成、クリエイティブスタジオなどのAIクリエイティブソリューションを案内しています。2026年7月26日時点の公式情報では、画像生成ツールは日本で利用可能です。動画生成ツールも、日本ではクリエイティブスタジオのスポンサーブランド動画広告で利用可能とされています。静的な商品画像から6〜15秒の動画を作る機能も案内されています。
一方、商品・オーディエンス調査からコンセプトやストーリーボードまで支援する「クリエイティブエージェント」は、公式の対象国一覧に日本が含まれていません。機能名が似ていても提供国や利用経路が異なるため、広告コンソールで自社アカウントの利用可否を確認してください。関連機能は「Amazon Ads AgentとCreative Agent」でも整理しています。
Amazon公式サービスや制作会社へ依頼する
Amazon Adsは、動画・音声・広告デザインの制作編集サービスを提供し、無料のセルフサービスツール、対象キャンペーンに付随する支援、有料サービスなど複数の選択肢を案内しています。また、Amazon Adsパートナー検索ディレクトリでは「クリエイティブとブランドエクスペリエンス」などの支援領域からパートナーを探せます。
企画、撮影、編集、複数フォーマットへの展開、入稿、運用改善をまとめて進めたい場合は外部支援が向いています。制作だけを発注するのか、広告運用と効果測定まで任せるのかを、見積もり前に決めておきましょう。
Amazon広告制作の実務フロー
- 広告の目的を決める:売上、商品認知、ブランド認知、指名検索、再訪など、優先する成果を一つ決めます。
- 広告フォーマットと遷移先を決める:広告面だけでなく、商品詳細ページ、Brand Store、外部LPのどこへつなぐかを決めます。
- 制作要件を整理する:対象商品、ターゲット、訴求、必須表現、禁止表現、素材、比率、尺、納品形式をクリエイティブブリーフにまとめます。
- 構成とコピーを作る:画像なら一目で伝える主訴求、動画なら冒頭、価値提示、ブランド想起の順で設計します。
- 制作・入稿・審査を行う:Amazon Adsの最新仕様と承認ポリシーを確認し、修正期間を含めて進行します。
- 配信後に改善する:クリエイティブごとの表示、クリック、動画視聴、購入、ブランド新規顧客などを目的に合わせて比較します。
最初から完成版を一つだけ作るより、訴求、冒頭、商品カット、コピーを変えた複数案を用意すると検証しやすくなります。ただし、差分を増やしすぎると何が成果に影響したか分かりにくくなるため、1回のテストで変える要素は絞ります。
※広告仕様と審査ポリシーは更新されます。制作開始時と入稿直前の2回、Amazon Ads公式の最新情報を確認してください。
制作費用と納期を左右する項目
Amazon公式の制作・編集サービスページでは一律の制作料金を掲載せず、プロジェクト規模に応じた幅広い予算への対応を案内しています。そのため、「Amazon広告制作は一律いくら」と考えるより、見積もりに含まれる作業を比較するほうが実務的です。
費用・納期に影響する項目 | 確認する内容 |
|---|---|
企画範囲 | 調査、訴求設計、台本、絵コンテ、コピーを含むか |
素材の有無 | 商品画像、ロゴ、撮影済み映像、3Dデータを支給できるか |
撮影 | 人物、スタジオ、ロケ、キャスティング、権利処理が必要か |
制作本数 | 商品数、訴求数、縦横比、尺、言語、サイズ展開はいくつか |
入稿・審査 | 仕様確認、入稿作業、差し戻し修正を含むか |
運用改善 | 配信設計、レポート、クリエイティブ更新まで含むか |
AI生成や既存素材の再編集は、撮影を伴う制作より短期間で試しやすい一方、ブランド表現、商品形状、表示内容、権利、審査適合性の確認は必要です。見積書では「初稿まで」ではなく、修正回数、納品データ、二次利用、入稿対応、配信後の改善まで確認してください。
Amazon広告の制作会社・代理店を選ぶポイント
Amazon広告の制作会社を選ぶときは、映像やデザインの見栄えだけでなく、配信面と成果まで理解しているかを確認します。比較するポイントは次の5つです。
- 対応範囲:画像、動画、Brand Store、PVA、Amazon DSPのどこまで対応できるか
- Amazon Adsの理解:仕様、審査、商品詳細ページ、広告運用を一体で説明できるか
- 制作実績の見せ方:業種、目的、構成意図、支援範囲が明確か
- 改善体制:納品後に配信結果を見て差し替えや追加制作ができるか
- 見積もりの透明性:企画、撮影、編集、入稿、修正、二次利用の範囲が分かるか
広告運用会社の比較軸は「Amazon広告運用代行・代理店の選び方」で詳しく説明しています。制作と運用を別々に依頼する場合は、誰が仕様確認、入稿、審査差し戻し、クリエイティブ改善を担当するかを先に決めてください。
Prime Video広告の動画制作から配信、AMC・DSPを使った分析まで一体で検討している方は、GoalTechの「PVA支援サービス」で対応範囲と制作事例をご覧いただけます。