Amazon広告レポートはどこで何を見るか

Amazon広告の指標は、広告コンソール(Amazon Ads コンソール) の「キャンペーンマネージャー」から確認できます。ログイン後にキャンペーン一覧を開くと、インプレッション・クリック数・支出・売上・ACOSなどがデフォルト列として表示されます。

確認できる主なレポートの種類は次のとおりです。

  • キャンペーンレポート: キャンペーン単位で支出・売上・ACOSなどを集計。全体の採算把握に使います。
  • 広告グループレポート: グループ単位でCTRやCVRを比較し、構成の見直しに活用します。
  • 検索用語レポート: 広告クリックにつながった検索語を中心に確認できます(クリックがない検索語は含まれない場合があります)。除外キーワードの精査や新規キーワード発掘に役立ちます。
  • インプレッションシェアレポート(スポンサープロダクト): 検索用語ごとの露出機会と獲得割合を確認できます。

レポートのダウンロードは「レポート」タブから行います。期間・粒度(日次・週次・月次)・対象商品を指定して CSV で取得するのが一般的です。スポンサープロダクト・スポンサーブランド・スポンサーディスプレイで取得できるレポートの種類が異なるため、確認したい指標に合わせてレポートを選択してください。


まず押さえる主要指標一覧

以下の表に、Amazon広告の主要な指標をまとめました。

指標名

読み方

意味

計算式

見るときの注意

インプレッション

いんぷれっしょん

広告が表示された回数

多ければ露出機会は十分。少ない場合は入札・予算・ターゲティングの関連性・商品や掲載枠の適格性を見直す

クリック数

くりっくすう

広告がクリックされた回数

インプレッションと合わせてCTRで評価する

CTR(クリックスルーレート)

しーてぃーあーる

インプレッションに対するクリック率

クリック数 ÷ インプレッション数 × 100(%)

目安は広告種別・カテゴリー・掲載面で大きく異なる。固定の平均値で判断せず、自社実績や同カテゴリーの推移で比較。低い場合はクリエイティブ・価格・レビューを確認

CPC(クリック単価)

しーぴーしー

1クリックあたりの広告費

支出 ÷ クリック数

上昇トレンドのときは競合の入札状況を確認。単体ではなくCVRと合わせて評価

支出(Spend)

ししゅつ

期間内の広告費合計

予算消化率・日次ペースも確認。予算上限で配信が止まっていないか要チェック

広告売上(Ad Sales)

こうこくうりあげ

広告経由で発生した売上

Amazonの計測ウィンドウに注意。スポンサープロダクトはセラーで主に7日、ベンダー/著者で主に14日など、アカウント種別で異なる

注文数

ちゅうもんすう

広告経由の注文件数

数量ではなく件数。まとめ買いが多い商品はユニット数と比較する

CVR(コンバージョンレート)

しーぶいあーる

クリックから購入に至った割合

注文数 ÷ クリック数 × 100(%)

商品ページ・価格・レビュー数の質が影響。CTRが高くてもCVRが低い場合はページ改善が先決

ACOS(広告費売上高比率)

えーこす

売上に占める広告費の割合

広告費 ÷ 広告売上 × 100(%)

数値が低いほど効率が良い。目標ACOSは粗利率から逆算する。詳細はACOSとは

ROAS(広告費用対効果)

ろあす

広告費1円あたりの売上

広告売上 ÷ 広告費

ACOSの逆数。ROASが高いほど効率が良い。ROASとACOSは片方を見れば十分

TACoS(全体広告費売上高比率)

たこす

全体売上(オーガニック含む)に占める広告費の割合

広告費 ÷ 全体売上 × 100(%)

ACOSより広い視点で採算を測る。オーガニック順位改善でTACoSが下がる傾向

インプレッションシェア

いんぷれっしょんしぇあ

対象検索語で獲得した広告露出の割合

自社が獲得した広告インプレッション数 ÷ その検索語で発生した広告インプレッション総数 × 100(%)(スポンサープロダクトの検索用語IS)

低い場合は入札・予算・適格性に問題がある可能性。検索結果上部のISも別途確認できる

補足: ACOSの詳細な分析・改善方法については ACOSとは──広告費売上高比率の計算と改善のコツ で詳しく解説しています。


指標を見る順番:露出→クリック→転換→採算

レポートを開いたとき、すべての数値を一度に確認しようとすると混乱します。問題箇所を素早く特定するには、「露出→クリック→転換→採算」の順番で追うのが効果的です。

ステップ1:インプレッション(露出)

まず広告が表示されているかどうかを確認します。インプレッション数が極端に少ない場合は、入札額が低すぎる・予算が途中で尽きている・キーワードのマッチタイプが狭すぎるなどの原因が考えられます。

ステップ2:CTR(クリック)

インプレッションが十分あるのにクリックされない場合は、広告クリエイティブ・商品タイトル・価格・レビュー評価に問題があります。商品ページの第一印象が購入候補から外れている可能性が高いです。

ステップ3:CVR(転換)

クリックは集まっているのに注文が少ない場合は、商品詳細ページの品質を疑います。画像点数・商品説明の充実度・価格競争力・レビュー数と評価点が主な改善ポイントです。CVRの改善は広告費の削減よりも、ページそのものの訴求力強化が先です。

ステップ4:ACOS(採算)

露出・クリック・転換がそれぞれ適切な水準に達した上で、採算(ACOS)を評価します。ACOSが目標より高い場合は、入札単価の引き下げ・除外キーワードの追加・低CVRキーワードの停止などを検討します。

この4ステップを経ることで、「なぜACOSが高いのか」の根本原因を掴めるようになります。


目的別に重視すべき指標

広告の目的によって、注視すべき指標は異なります。

認知・新規獲得を重視する場面

新商品ローンチや季節キャンペーンの序盤では、インプレッション数・インプレッションシェア・CTRを優先して見ます。まずターゲット層に広告を届けることが目的のため、この時期のACOSが一時的に高くなることは許容範囲です。ブランド認知を広げる施策については Amazon広告の種類と選び方 も参考にしてください。

獲得効率を高める場面

販売実績が積まれてきたタイミングでは、CVR・CPC・ACOSを中心に改善を進めます。無駄なクリック(低CVRキーワード)を除外し、高CVRキーワードへの入札を強化することが基本戦略です。キーワードのマッチタイプ設計については Amazon広告のキーワード選定・マッチタイプ完全ガイド を参照してください。

利益率を守る場面

利益を最優先する場面では、TACoS・ACOS・粗利率を照合しながら管理します。ACOSの目標値を粗利率から逆算し(目標ACOS < 粗利率)、その範囲内で最大クリック数を獲得できる入札設定を目指します。予算配分・入札戦略の詳細は Amazon広告の予算と入札戦略 で解説しています。


よくある誤読と正しい理解

誤読1:ACOSだけで広告の善し悪しを判断する

ACOSは「広告経由売上」に対する比率であり、オーガニック売上を含みません。広告が増加してオーガニック検索順位が上がれば、広告費自体は同じでも全体売上は増えます。この全体視点を持つために TACoS(広告費 ÷ 全体売上)を併用します。ACOSが高くてもTACoSが下がっていれば、広告がオーガニック強化に貢献している可能性があります。

誤読2:インプレッションが多ければ良い

インプレッション数が増えても、CTRが極端に低い場合は関係性の低い検索クエリに広告が表示されているサインです。検索用語レポートを開いて、実際に広告が表示されているクエリを確認し、関連性の低いものを除外キーワードに追加します。

誤読3:インプレッションシェアは高いほど良い

インプレッションシェアを100%に近づけようとして入札を上げ続けると、CPC上昇によりACOSが悪化するケースがあります。インプレッションシェアは「獲得できる可能性のある露出を取りこぼしていないか」の確認指標として使い、採算ラインを守った上で改善を検討します。

誤読4:CPCは低いほど良い

CPC(クリック単価)は低いほど効率的に見えますが、CVRや平均注文額とセットで評価しないと誤ります。低CPCでも購入に至らないクリックが多ければACOSは悪化します。逆に、CPCが高くてもCVRが高ければACOSを目標内に保てます。概算ではACOSは「CPC ÷(CVR × 平均注文額)」で要因分解でき、CPC・CVR・平均注文額のバランスで評価することが重要です。


数値から打ち手へ:指標ごとの改善アクション

各指標に問題が見つかったとき、次の施策記事を参照してください。

指標は「現状の把握」に使うものであり、改善アクションは個々の施策に落とし込んで初めて成果につながります。レポートを定期的にチェックし、仮説→施策→検証のサイクルを回し続けることが、Amazon広告の運用力向上の近道です。

なお、Amazon広告用語をアルファベット順に確認したい場合は Amazon広告用語集A-Z も合わせて参照してください。


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出典・参考