Prime Video Ads(プライムビデオ広告。以下、PVA)を検討するとき、配信条件と同じくらい判断しづらいのが「実際にどのような動画を作ればよいか」です。テレビ画面で視聴される広告は、スマートフォン向けの短尺動画をそのまま転用すればよいとは限りません。視聴環境、尺、文字量、ブランドの見せ方、広告を見た後の行動まで、一つの設計として考える必要があります。

この記事では、GoalTechが「PVA Starter」で制作・配信を担当した動画クリエイティブの一例として、15秒動画3本を紹介します。あわせて、Amazon Adsの公式情報をもとに、Prime Video Adsの制作仕様と構成の考え方を整理します。

プライムビデオ広告の動画制作で最初に決めること

制作を始める前に、まず「この15秒で何を持ち帰ってもらうか」を決めます。商品名、ブランドイメージ、用途、課題解決、検索語句、問い合わせ先をすべて入れると、どの要素も弱くなりがちです。優先するメッセージは原則一つ、補助メッセージも一つ程度に絞ると構成が安定します。

次に、テレビ画面で見られる前提を置きます。離れた位置からでも読める文字サイズ、十分なコントラスト、重要なロゴや商品を画面端に寄せすぎないレイアウトが必要です。視聴者が広告をクリックできない配信面では、ボタン風の「詳しくはこちら」を置くのではなく、ブランド名や覚えやすい検索語句を残す設計が現実的です。インタラクティブ広告を使う場合は、利用できる機能と対象地域を配信前に確認します。

PVA Starterの制作事例動画3選

以下は、GoalTechが制作・配信を担当したクリエイティブの一例です。掲載しているファイルはWeb閲覧用のプレビューであり、広告入稿用マスターファイルではありません。また、個別案件の配信実績や成果を示すものではありません。

事例1:BIVABOO MIRAGE|銀座ステファニー化粧品株式会社

冒頭で商品を大きく見せ、質感のある背景と接写で世界観を作った後、使用後を想起させる人物カットへ移行します。終盤でコピー、商品名、検索の手がかりを同時に提示する構成です。化粧品のように「機能の説明」だけでなく「使ったときの気分や印象」も重要な商材では、最初の数秒で視覚的な期待を作ることがポイントです。

BIVABOO MIRAGE銀座ステファニー化粧品株式会社15 SEC

事例2:アスベスト分析調査|イーストゲート株式会社

「関東4県を中心に全国展開」「報告書提出まで料金込み」と、対象エリアと検討条件を先に提示し、検索語句と問い合わせ先へつなぐ構成です。B2Bサービスは映像だけで内容を推測しにくいため、誰向けの何のサービスか、検討時の不安を何で減らせるかを短い言葉で明示します。

アスベスト分析調査イーストゲート株式会社15 SEC

事例3:サプリメント「Re-light」|株式会社GoalTech

生活シーンから始め、「現代人の目に」「リポソームで、ぐんぐん吸収。」と課題と特徴を順に見せ、商品パッケージとAmazonでの検索想起へつなぎます。日常の悩みを入口にすると、自分ごと化から商品理解までを15秒の中で組み立てやすくなります。

サプリメント「Re-light」株式会社GoalTech15 SEC

15秒動画の構成テンプレート

15秒では説明を詰め込むより、役割を時間帯ごとに分けるほうが伝わります。たとえば次のように設計します。

時間

役割

主な要素

0〜3秒

視聴者の注意をつかむ

商品、利用場面、課題、強いビジュアル

3〜8秒

価値を理解してもらう

特徴、使用イメージ、サービス対象

8〜12秒

記憶を補強する

商品名、ブランド名、根拠となる情報

12〜15秒

次の行動を想起させる

ブランド、商品パッケージ、検索語句

このテンプレートは固定ルールではありません。すでに認知がある商品なら冒頭から世界観を見せる、説明が必要なB2Bサービスなら対象者と提供価値を先に出すなど、認知段階に合わせて比重を変えます。重要なのは、音声が聞こえるときだけ成立する構成にしないことです。映像と文字だけでも大筋が分かり、音声で理解や印象を補強できる状態を目指します。

Prime Video Adsの主な入稿仕様

Amazon Adsの「ストリーミングTVとPrime Videoの広告仕様」では、日本のPrime Video広告の長さとして15秒・30秒が案内されています。主な技術要件は次のとおりです。

項目

Amazon Ads公式仕様の要点

アスペクト比

16:9

最小フレームサイズ

1920×1080

最大ファイルサイズ

500MB

動画

H.264、MPEG-2またはMPEG-4

サイト配信

MP4動画ファイルが必要

Prime Videoの動画ビットレート

最小15Mbps、推奨50Mbps

フレームレート

23.976推奨、24、25、29.97fps/固定

音声

AAC、2チャンネル以上、44.1kHzまたは48kHz、192kbps以上

今回掲載した3本は1920×1080・15秒ですが、Web表示向けに約2.5〜5.7Mbpsへ圧縮されています。配信時は、別に保管した高ビットレートのマスターから、最新仕様に合わせたデータを書き出します。

また、テレビによるオーバースキャンやインタラクティブ要素との重なりを避けるため、重要な商品、ロゴ、コピーはAmazonが案内する推奨セーフゾーン内に置きます。技術要件を満たしていても、表現や権利、商品カテゴリーに関する審査があります。制作前と入稿前の二段階で、最新の広告仕様とクリエイティブ承認ガイドラインを確認してください。

動画制作前に設計するKPIとLP導線

非インタラクティブなストリーミングTV広告は、Webバナーのようにクリックを前提としません。そのため、クリック率だけで成否を判断せず、配信目的に合わせてKPIを分けます。

  • 認知目的:リーチ、ユニークリーチ、動画完了率、ブランドリフト
  • 興味喚起:ブランド名・商品名の検索増加、指名流入、新規ユーザー
  • 獲得接続:広告接触後のサイト訪問、商品詳細閲覧、問い合わせ、売上

動画の最後に検索語句を見せるなら、その語句で検索した人が迷わず到達できるページも必要です。広告のコピー、検索結果のタイトル、LPのファーストビューで同じ言葉を使い、詳細を知りたい人には概要・事例・支援範囲を先に見せます。いきなりフォームだけを表示するより、判断材料を読んでから相談できる導線のほうが、検討初期のユーザーを取りこぼしにくくなります。

Prime Video Adsの基本や配信の考え方を知りたい方は「プライムビデオ広告とは?Prime Video Adsの仕組み」もあわせてご覧ください。

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出典・参考文献