Amazon Ads API v1は、Sponsored Products、Sponsored Brands、Sponsored Display、Sponsored Television、Amazon DSPなどを、共通の考え方と命名で扱う新しいAPI基盤です。Amazonは新規開発でv1を推奨し、将来的に広告商品別の従来APIを置き換える方針を示しています。
ただし、2026年9月時点で旧v3がすべて移行済みという意味ではありません。Recommendationsや一部Inventoryでは統合が進みましたが、機能ごとに対象と提供段階が違います。Reporting v1はopen betaで、MCPやAMCもv1そのものではありません。
Amazon Ads API v1とは:共通モデルで何が変わる
従来は、Sponsored ProductsやDSPなどでfield名、resource構造、errorの返し方が異なる場面がありました。v1は、標準的な概念と命名、共通のAPI挙動を導入します。公式ドキュメントは、共通field、共通のerror handling、再利用しやすいresource pattern、重複コードの削減を利点に挙げています。
日本・オーストラリア・シンガポールはFar East(FE)リージョンです。日本の広告アカウントへ接続するregional hostは次のURLです。
https://advertising-api-fe.amazon.com
/adsApi/v1/...は個別resourceのpathです。たとえばRecommendations APIは GET /adsApi/v1/list/recommendations と POST /adsApi/v1/query/recommendations を使います。hostとpathを混同せず、対象resourceのreferenceで組み合わせを確認します。
広告自動化の全体像は、Amazon Ads Agentの機能・利用条件も参考になります。
旧v3からv1への置換はendpoint単位で進める
「Amazon Ads API v3」はAPI全体の単一世代ではありません。Sponsored Products v3、Reporting v3など、広告商品や機能ごとにversionがあります。v1による全面置換はAmazonが示す将来方針であり、現時点の完了宣言ではありません。
確認項目 | 移行時に固定すること |
|---|---|
product・resource | 対象広告商品、campaign・report等の操作対象 |
endpoint | regional host、path、HTTP method、新旧schema |
提供段階 | GA、beta、deprecated、停止予定、利用資格 |
数値定義 | metric名、attribution date、lookback、nullの扱い |
特にReporting v1は共通モデルに沿う一方、2026年9月9日時点ではopen betaです。複数dimension・ad product・accountを横断できますが、metric名やtraffic-date attributionが旧v3と異なります。v3集計をすぐ削除せず、同期間・同accountで並走し、差分を説明できてから切り替えます。
SP-API・MCP・AMCとの違い
仕組み | 主な役割 | v1との関係 |
|---|---|---|
Amazon Ads API v1 | 広告管理、対応範囲のreporting・recommendation | 共通モデルの本体 |
Selling Partner API(SP-API) | 商品、価格、注文、在庫、出荷 | 別の販売業務API |
Amazon Ads MCP Server | AI clientからAdsのtools・skillsを呼ぶ接続レイヤー | v1の別名ではない |
AMC API | privacy-safeな広告接触分析、audience、signal | 認証基盤は共有できるがv1と同一ではない |
SP-APIはAmazonで「売る」業務を扱います。商品・在庫と広告実績は結合できますが、認証、ID、更新頻度を分けて管理します。
Amazon Ads MCP Serverは自然言語から広告業務を進める接続レイヤーです。導入してもAPIの利用資格や権限確認は必要で、全endpointの網羅も保証されません。認証切れやrate limitは継続運用ガイドに沿って監視します。
Amazon Marketing Cloud(AMC)はクリーンルーム分析基盤です。AMC APIはAmazon Ads APIのOAuth 2.0基盤を利用できますが、AMCの全機能がv1共通resourceへ統合済みとは言えません。分析、audience、signal managementはAMC側の利用条件も確認します。
2026年8月のv1関連アップデート
8月12日:Manager Account APIが一般提供
Manager Account APIはclosed betaから一般提供(GA)へ移行しました。manager accountの作成、検索、更新をAPIで行い、広告主や代理店が複数の広告accountを管理できます。approved Login with Amazon(LwA)clientを持つAmazon Ads API利用者が対象です。
8月31日:Recommendationsが単一interfaceへ
Recommendations APIは、広告商品をまたぐrecommendationを取得する単一interfaceとして公開されました。listとqueryの2 endpointがあり、対象広告商品が違ってもresponseは標準化されたrecommendation modelに従います。
8月31日:Inventory Managementの統合endpointを拡張
Commitments、DealAdvertiserAccesses、DealAdvertiserAccessEntries、Labels、Inventory Groups、BuyerSeatsで統合endpointが案内され、URLも変更されました。ただし、公式release noteが示す現時点の対応ad productは Amazon_DSP のみです。全inventory・全広告商品が統合済みとは解釈できません。
Amazon Ads API v1の始め方
- 業務を1つ決める:report取得、recommendation取得、campaign更新など最初のuse caseを限定します。
- 利用申請と権限を整える:立場を明確にし、LwA clientと対象accountの権限を準備します。
- regionを固定する:日本はFE hostを使い、scopeとmarketplaceを確認します。
- readを1件成功させる:request ID、status、rate-limit header、responseを保存します。
- 新旧を並走比較する:件数、metric、attribution、lookback、errorの差を確認します。
- 限定writeを読み戻す:1 account・1 resourceに絞り、承認、実行、readback、rollbackを分けます。
「1件のread」「新旧差分の説明」「限定writeのreadback」を順に成功条件とします。