インタラクティブ動画広告とは、視聴者が動画を受動的に見るだけでなく、リモコンやモバイル端末からその場で操作できる広告形式です。Amazon AdsのInteractive Video Ads(IVA)は、ストリーミングTV広告に操作可能なオーバーレイを加え、動画視聴中の関心を購入や情報取得などの行動につなげます。本記事では、Amazon IVAの仕組み、フォーマット、入稿仕様、日本で検討する際の注意点を整理します。

インタラクティブ動画広告とは?従来の動画広告との違い

Amazon AdsはIVAを「クリエイティブオーバーレイを使ったストリーミングTV広告」と定義しています。視聴者はTVリモコンやモバイル端末を使い、視聴体験から離れずに商品をカートへ追加したり、ブランドの詳細を確認したりできます。

インタラクティブ動画広告(IVA)の仕組みを示す図解
インタラクティブ動画広告(IVA)が、ストリーミングTV広告の視聴からリモコン・モバイル端末での操作、カート追加や情報取得などの行動につながる流れ。

IVAは別の動画配信サービスや単独の掲載面ではありません。対象となるストリーミングTV広告は、Prime Video、Twitch、Fire TVチャネル、主要なサードパーティのTVパブリッシャーや放送局などに表示されます。

Amazon公式は2026年5月の発表で「インタラクティブ動画広告(IVA)」と表記しています。なお、そこで紹介されたDynamic TV CreativeはIVA全体の別名ではなく、米国の一部広告主を対象にIVAを自動調整する個別機能です。

配信基盤を含む全体像は、Prime Video Ads・Amazon DSP・CTV広告の違いもあわせて確認してください。

視聴後の行動は「購入」と「発見」の2方向に設計できる

ショッピング可能なフォーマットは、Amazonで商品を販売する広告主向けです。視聴者が広告で紹介された商品をAmazonのショッピングカートへ直接追加でき、認知から購入検討までの距離を短くすることを狙います。

ディスカバリーフォーマットは、Amazonで販売していないブランドにも適しています。公式ガイドは「見積もりを依頼する」「予約をする」「今すぐサインアップ」などを例示しています。視聴者は関連するランディングページのリンクをメールやプッシュ通知で自分宛てに送れます。

IVAはEC購入専用ではなく、Amazon外のブランド体験やリード獲得にも設計できます。ただし、CTAや遷移方法はフォーマット、配信面、地域、配信方式によって異なるため、「誰にどの行動を取ってもらうか」から逆算します。

入稿では動画本体とオーバーレイの両方を確認する

Amazon公式のストリーミングTV・Prime Video広告仕様では、基本的な動画要件を次のように定めています。

項目

公式仕様

アスペクト比

16:9

最小フレームサイズ

1920×1080

最大ファイルサイズ

500MB

Prime Videoの最小動画ビットレート

15Mbps

推奨動画ビットレート

50Mbps(Prime Videoキャンペーン)

日本のPrime Video広告尺

15秒、30秒

オーバーレイのリンク先はAmazonの仕様・ポリシーに準拠し、モバイル向けに最適化されている必要があります。また、主要なテキスト、免責事項、商品情報、評価情報、商品画像やロゴを遮ることは禁止されています。

既存のTV CMは、CTAと競合しないよう重要情報をセーフゾーンに収めます。Amazonはピラーボックスやレターボックスも、オーバーレイと競合する可能性があるとして強く推奨していません。

動画素材の準備や制作体制は、Amazon広告の画像・動画クリエイティブ制作ガイドで整理しています。

サードパーティ広告配信(3PAS)にも注意が必要です。2026年8月4日時点の公式仕様では、3PAS動画でサポートされるIVAはPrime Video配信の「電話に送信」に限られます。「カートに入れる」は利用できず、QRコードではなくリモートクリックのみ対応しています。配信方式を決める前に、希望するCTAと入稿方法が両立するかを確認する必要があります。

日本で使える範囲は機能ごとに確認が必要

Amazon公式のPrime Video広告ページは、日本をPrime Video広告導入国の一つとして挙げています。また、広告仕様では日本のPrime Video広告尺を15秒・30秒とし、地域一覧にもJPを掲載しています。

しかし、同じ広告仕様には「インタラクティブ動画広告の掲載状況は地域によって異なる」「サプライソースの提供状況は地域によって異なる」と明記されています。したがって、Prime Video広告が日本で導入済みであることだけを根拠に、すべてのIVAフォーマット、CTA、配信面、配信方式が日本で利用可能だと判断することはできません。

地域限定機能との切り分けも必要です。たとえば、地域別の価格や最寄り店舗情報などを出し分ける「位置情報に基づくインタラクティブ動画広告」は、公式発表で対象地域が米国と明記されています。また、視聴者のショッピング行動などに応じてIVAを自動調整するDynamic TV Creativeも、2026年5月11日の発表時点では、Amazonで販売しPrime Videoキャンペーンを実施する米国の一部広告主が対象です。

Amazon DSPで位置情報に基づくインタラクティブ動画広告を設定する画面の公式掲載例
Amazon Ads公式発表に掲載された、位置情報に基づくインタラクティブ動画広告の設定例。対象地域は米国です。出典:Amazon Ads公式発表(画像をクリックすると公式ページへ移動します)

日本では、Amazon DSPまたはAmazon Ads担当者を通じて、対象アカウントで選べる形式、配信面、CTA、3PAS対応、審査要件を確認します。2026年8月4日時点の公式公開ページでは、IVA固有の日本向け料金、最低出稿金額、全機能の提供条件は確認できませんでした。

成果を見るには「視聴」と「操作」を分けて設計する

IVAでは、インプレッション、リーチ、動画再生完了率に加え、オーバーレイへの反応とその後の行動を分けて見ます。目的が認知、商品検討、カート追加、リード獲得のどれかで、選ぶCTAが変わるためです。

Amazon公式ガイドは、米国のAmazon DSPキャンペーンを対象とした分析として、インタラクティブ機能のあるストリーミングTV広告が、機能のない広告に比べてカート追加4.1倍、注文1.7倍だったと紹介しています。ただし、これは2024年10月から2025年4月までの米国データで、Amazonで商品を販売する広告主の比較です。日本のキャンペーンにそのまま当てはまる保証はありません。

通常の動画KPIとインタラクションKPIを分け、商品詳細閲覧、カート追加、サイト訪問、リード獲得などを目的に合わせて定義します。利用できる測定項目は地域や契約条件によって変わり得るため、実際の設定画面とレポート仕様を確認してから目標値を置きます。

GoalTechはインタラクティブ動画広告(IVA)の企画・制作・配信を支援します

GoalTechでは、Amazon DSP・Prime Video広告を含むインタラクティブ動画広告の導入を、企画から配信後の改善まで一貫して支援しています。日本で利用できるフォーマットやCTAは、アカウント・配信面・配信方式によって異なるため、実際の提供条件を確認したうえで設計します。

  • 配信可否と仕様の確認:対象アカウントで選べるIVA形式、CTA、配信面、3PAS対応、審査要件を整理します。
  • 動画クリエイティブ制作:既存のTV CMや動画素材を確認し、オーバーレイと競合しないセーフゾーン、CTA、入稿仕様に合わせて制作・調整します。
  • Amazon DSPの配信設計:認知、商品検討、カート追加、リード獲得などの目的に応じて、ターゲティング、配信面、予算、KPIを設計します。
  • 計測と改善:動画視聴指標とインタラクション指標を分け、配信後の反応や行動を確認しながら改善します。

IVAの利用可否を確認したい段階から、動画制作・Amazon DSP運用までご相談いただけます。GoalTechにIVA配信を相談する

参考文献

  1. Amazon Ads「ストリーミングTVとPrime Videoの広告仕様」(2026年8月4日閲覧)
  2. Amazon Ads「Amazon Ads、Prime Video向けのDynamic TV Creativeを導入」(2026年5月11日公開、2026年8月4日閲覧)
  3. Amazon Ads「インタラクティブ動画広告とは 例とソリューション」(2026年8月4日閲覧)
  4. Amazon Ads「Prime Video広告:プレミアムコンテンツとともにブランドを訴求」(2026年8月4日閲覧)
  5. Amazon Ads「Prime Videoの位置情報に基づくインタラクティブ動画広告の紹介」(2025年10月31日公開、2026年8月4日閲覧)