LINEヤフーは2026年9月1日、AIエージェント「Agent i」で、対話の文脈に応じた広告配信を拡大し、広告主向け課金を開始したと発表しました。対象は、検索連動型ショッピング広告(以下、SSA)とディスプレイ広告(運用型)です。[1]

ただし、2つの広告では課金開始日、除外方法、レポート範囲が異なり、Agent iを配信先として個別指定することはできません。本稿では、2026年9月23日に確認した公式情報を基に、EC担当者の確認・判断手順を整理します。

要点3つ

  • Agent iは個別指定できない: SSAまたはディスプレイ広告へ出稿し、システムが適切と判断した場合に配信される可能性があります。[1]
  • 除外できるのはディスプレイ広告: search.yahoo.co.jp/chat をプレイスメント除外へ設定できます。SSAのAgent i配信は個別に停止できません。[2]
  • SSAはAgent i単位の成果を切り出せない: 掲載面別の実績を確認できず、Agent iへの掲載実績は検索クエリーレポートにも反映されません。[2][3]

1. Agent iの広告配信とは

Agent iは、従来の「Yahoo! JAPAN」のAIアシスタントと「LINE」のLINE AIを統合し、2026年4月20日に提供を開始したAIエージェントです。LINEやYahoo! JAPANから利用でき、対話を通じた情報整理や商品選びを支援します。[4]

広告は、ユーザーの質問とAIの回答内容などを踏まえ、関連性があるとシステムが判断した場合に表示されます。対象広告商品へ出稿すると配信候補になりますが、すべての広告が表示される保証はありません。[1][3]

ここで扱う広告商品は次の2つです。

  • SSA: ユーザーの検索内容などに応じて商品情報を表示するショッピング広告。
  • ディスプレイ広告(運用型): LINEやYahoo! JAPANなどへバナーや動画等を配信する運用型広告。

生成AIをEC運用へ組み込む際の役割分担や確認事項は、EC業務の生成AI活用ガイドでも整理しています。

2. SSAとディスプレイ広告の違い

2026年9月23日時点の公式情報を、実務で確認する項目に絞ると次のとおりです。

確認項目

SSA

ディスプレイ広告(運用型)

Agent iでの課金開始

2026年8月31日

2026年7月23日

Agent iの個別指定

不可

不可

Agent iだけの配信停止

不可

search.yahoo.co.jp/chat のプレイスメント除外で対応可能

レポートで確認できる範囲

掲載面別実績は確認不可。Agent i掲載実績は検索クエリーレポートへ反映されない

パフォーマンスレポートの配信先URLに search.yahoo.co.jp が出力される

SSAは2026年9月16日、Agent iのスマートフォン版回答結果画面、Yahoo!オークション、コマース検索のカタログページへ掲載面を拡大しました。掲載面の個別指定・除外と、掲載面別実績の確認はできません。[3]

一方、ディスプレイ広告は一部ユーザーから段階的に配信を拡大する方針です。対象アカウントで実際に配信されているか、管理画面とパフォーマンスレポートを読み戻す必要があります。[1][2]

3. 配信停止とレポート確認の注意点

ディスプレイ広告を除外する場合

Agent iへの配信を止める場合、プレイスメントターゲティングで search.yahoo.co.jp/chat を除外します。[2] 対象キャンペーン、設定日時、理由、確認日、元へ戻す条件を記録し、ほかの変更は重ねません。

パフォーマンスレポートには配信先URLとして search.yahoo.co.jp が出力されます。ただし、公式情報だけでは、この表示からAgent i専用のクリックやコンバージョン(購入などの成果)を分離できるとは確認できません。[2]

SSAを確認する場合

SSAはAgent iだけを停止できず、質問内容を対象外キーワードへ登録しても除外は保証されません。掲載面別実績を確認できず、Agent i実績は検索クエリーレポートにも反映されません。[2][3]

SSAの前後比較は「Agent i単体の効果測定」ではなく、広告商品全体の参考確認です。費用や成果とともに、予算、入札、価格、在庫、セール、商品ページの変更を記録し、数値変化の原因をAgent iと断定しません。

4. EC担当者が確認する6つの手順

手順1:利用中の広告商品を分ける

SSAとディスプレイ広告を分け、キャンペーン名、担当者、目的、主要指標を一覧にします。まず、どちらの広告商品が配信候補かを確認します。

手順2:課金開始前後の基準値を保存する

ディスプレイ広告は7月23日、SSAは8月31日を変更日として、前後の同じ曜日数で費用、表示、クリック、成果を保存します。9月16日のSSA掲載面拡大も別の変更日として記録します。期間が短い場合や成果件数が少ない場合は、結論を急ぎません。

手順3:除外設定とレポート表示を読み戻す

ディスプレイ広告では search.yahoo.co.jp/chat の除外有無を確認します。レポートの search.yahoo.co.jp は保存しますが、Agent iだけの成果と決めつけません。SSAでは、掲載面別・検索クエリー別にAgent i実績を取得できない前提を運用表へ明記します。

手順4:商品情報とリンク先を点検する

SSAの掲載順位には、入札価格に加え、商品情報と掲載コンテキストとの関連性が使われます。公式情報では、掲載コンテキストの要素として検索クエリー、掲載面の内容、ユーザーの状況、商品フィード、過去のクリック実績が挙げられています。[3]

公式の必須項目一覧ではありませんが、運用上の点検例として、商品名、カテゴリ、価格、在庫、識別子、画像、リンク先の一致を確認します。掲載保証ではなく、情報や遷移先の不一致を減らすためです。

手順5:継続・除外・保留を決める

  • 継続: 商品・訴求と対話文脈の不一致が見られず、全体指標にも許容できない悪化がない。
  • 除外: ディスプレイ広告で、ブランドセーフティ、法務、リンク先、費用管理の基準を満たせず、検証期間を決めて search.yahoo.co.jp/chat を外す。
  • 保留: 実配信、対象範囲、データ量が不足し、原因を分けて評価できない。設定を急に変えず、次の確認日と担当を決める。

手順6:判断記録を残す

「変更日、対象、数値、同時期の販促・在庫変更、判断、次回確認日」を1行で残します。公式更新日とレポート条件も記録します。他媒体のAI最適化を検証する考え方は、Smart Bidding Explorationの解説も参考になります。

5. 完了の目印と見直しタイミング

初回確認は、次の状態になれば完了です。

  • SSAとディスプレイ広告を分け、対象キャンペーン、担当、3つの変更日を記録した。
  • ディスプレイ広告の除外設定と、SSAでは個別除外できない制約を確認した。
  • Agent i単位で取得できないデータを、推測値で補っていない。
  • 商品情報とリンク先を点検し、継続・除外・保留の判断理由を残した。

掲載面や配信方法は今後も変更・拡大される可能性があり、表示位置やデザインも予告なく変わる場合があります。[2][3] 月次に加え、公式更新時、費用・成果の急変時、商品フィード変更時に見直します。

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出典・参考文献

確認日: 2026年9月23日。段階展開、実配信、画面表示、利用権限は対象アカウントで再確認してください。

  1. LINEヤフー、「Agent i」において、AIとの対話の文脈に応じた広告配信を拡大|LINEヤフー for Business(2026年9月1日)
  2. AIエージェント「Agent i」におけるテスト配信について|LINEヤフー for Business(2026年9月1日更新)
  3. 検索連動型ショッピング広告の掲載面を拡大|LINEヤフー for Business(2026年9月17日更新)
  4. LINEヤフー、AIエージェントの新ブランド「Agent i」を本日スタート|LINEヤフー株式会社(2026年4月20日)