AmazonのSeller Central上で、低評価レビューを残した購入者へ出品者が連絡できる「Contact Customer」機能が消えた、という報告が出ています。

2026年6月14日のX投稿では、Customer ReviewsダッシュボードにあったContact Customer機能が削除され、購入者側から連絡がない限り、出品者からレビュー投稿者へ能動的に連絡できなくなったと紹介されています。Amazon Seller Forumsでも、同様に「critical reviewが残った時のContact Customerが見当たらない」という投稿が確認できます。

ただし、2026年6月15日時点で確認できるAmazonの公開ページ「Customer Reviews tool」には、3つ星未満の評価に対してContact Customerをクリックし、返金またはカスタマーサポートを提案できるという説明が残っています。したがって、本記事ではこれを単純な「公式ヘルプ更新済みの廃止発表」としては扱いません。公開ヘルプ、Seller Central実画面、Seller Forums上の報告に差分が出ている状態として見ます。

なお、本記事で確認した一次情報はAmazon.com / Seller Central US系の公開ページとSeller Forumsが中心です。Amazon.co.jp側で同じ表示・運用になっているかは、自社のSeller Central画面で確認してください。

それでも、この動きはAmazon運用にとって重要です。レビュー対応は、低評価が出てから個別に回復する運用から、低評価を生まない商品・ページ・配送・広告設計へ移りつつあるためです。

何が起きているのか

今回の話題の中心は、Amazon Brand Registry対象ブランドが使えるCustomer Reviews関連の接点です。Amazonの公開ページでは、Customer Reviews toolはブランド商品のレビューを追跡し、低評価に対応するための機能として説明されています。対象はProfessional selling accountとBrand Registry上のBrand Representativeです。

これまで公開ページ上の説明では、3つ星未満のレビューに対してContact Customerを使い、全額返金または追加情報の依頼を通じて問題解決を図れるとされていました。

一方で、直近のSeller Forumsでは、低評価レビューの際にContact Customerの選択肢が削除されたのではないかという投稿が出ています。X投稿も同じ問題意識で拡散されています。

ここで重要なのは、「購入者との接点が完全になくなる」と短絡しないことです。AmazonにはBuyer-Seller Messagingがあり、注文完了やカスタマーサービス上必要な連絡は引き続き存在します。ただし、Amazonは過去のSeller Forums公式投稿でも、Buyer-Seller Messagingを注文完了やカスタマーサービス対応のためのものと説明し、マーケティングやプロモーション目的での利用を制限する方向を示しています。

つまり、今回の変化が事実だとすれば、Amazonはレビューを起点にした能動的な出品者連絡をさらに絞り、購入者保護とレビュー真正性を優先していると見られます。

なぜ出品者にとって大きいのか

Amazonではレビューが広告成果にも直結します。レビュー評価やレビュー数が弱い商品は、クリック後のCVRが落ちやすく、同じクリック単価でもACOSが悪化しやすくなります。

これまでは、低評価レビューが入った後にContact Customerで返金やサポートを案内し、顧客体験を回復する余地がありました。もちろん、Amazonのレビュー規約上、レビューの変更や削除を依頼したり、返金と引き換えにレビュー変更を促したりすることは認められていません。それでも、問題の原因を聞き、商品改善や顧客対応につなげる接点として機能していた面はあります。

もしこの接点が狭まるなら、低評価が出た後の個別対応だけに頼る運用は弱くなります。レビューを「炎上後の消火」として扱うのではなく、商品ページ、配送品質、広告訴求、問い合わせ対応の先行指標として扱う必要があります。

Amazonの大きな流れ

今回の報告は単発のUI変更というより、Amazonがレビューと購入者コミュニケーションをより厳密に管理していく流れの一部として見ると理解しやすいです。

AmazonはCustomer Product Reviewsに関するポリシーで、レビューの真正性を保つことを重視しています。ポリシー資料では、レビューの変更や削除を依頼すること、返金や補償と引き換えにレビューへ影響を与えること、ポジティブなレビューだけを誘導することなどが禁止例として挙げられています。

また、Buyer-Seller Messagingについても、Amazonは別の公式Forum投稿で、購入者のコミュニケーション設定を保護するため、重要メッセージ指定の使い方を制限する変更を案内しています。注文完了やカスタマーサービス上必要な連絡は残しつつ、出品者からの過剰な接触は抑える方向です。

さらに、2026年2月12日から5月31日にかけて、バリエーション間でのレビュー共有ルール変更も段階実装されています。機能差が大きいバリエーション間ではレビューが共有されにくくなり、商品ごとの実態に近いレビュー表示へ寄せる変更です。

これらを合わせると、Amazonは「レビューを売上回復のために後から調整するもの」ではなく、「購入判断の信頼性を支える情報」として扱う姿勢を強めていると考えられます。

出品者が今見直すべきこと

まず、レビュー対応の起点をCustomer Reviewsだけに置かないことです。低評価レビュー、返品理由、Voice of the Customer、問い合わせ内容、広告の検索語句、商品ページの訴求をまとめて見る必要があります。

見直し項目

確認すること

打ち手

商品ページ

広告で期待させた内容と商品ページが一致しているか

タイトル、画像、A+、仕様説明を修正

レビュー本文

不満が品質、サイズ、使い方、配送、期待値のどこにあるか

不満パターンを分類

広告検索語句

本来の用途と違う検索語句から流入していないか

除外キーワード、キャンペーン分離

返品理由

レビューに出る前の不満がないか

商品改善、説明追加、梱包改善

顧客対応

連絡可能な範囲でポリシーに沿って対応できているか

テンプレート、対応履歴、NG表現を整備

特に広告運用では、レビュー低下を広告側だけで解決しようとしないことが大切です。低評価が増えている商品に入札を強めると、クリックは取れてもCVRが落ち、広告費だけが膨らむことがあります。

検索語句とレビュー内容を並べると、問題が見えやすくなります。たとえば「業務用」と訴求している商品に家庭用の検索語句から流入している場合、レビューでは「思ったより大きい」「使いにくい」といった不満が出やすくなります。この場合、広告の除外や訴求修正がレビュー悪化の予防になります。

運用チェックリスト

Contact Customerの有無に関係なく、Amazon運用担当者は次のチェックを週次で回すのが現実的です。

Check

内容

1

低評価レビューを商品別・理由別に分類する

2

返品理由とレビュー本文を照合する

3

広告検索語句とレビュー不満のずれを見る

4

商品ページの画像・仕様・サイズ・同梱物説明を確認する

5

低評価が増えたASINの広告入札を一時的に見直す

6

Buyer-Seller Messagingのテンプレートが規約に沿っているか確認する

7

レビュー変更・削除依頼につながる表現を使っていないか確認する

レビューは広告成果の後工程ではありません。広告で集めたユーザーの期待値と、実際の商品体験の差がレビューに出ます。レビューを広告改善の材料として扱うことで、CPC調整だけでは見えないCVR低下の原因を特定しやすくなります。

まとめ

AmazonのContact Customer削除報告は、公開ヘルプだけを見ると断定しにくい状態です。公開されているCustomer Reviews toolページには、Contact Customerの説明が残っています。一方で、X投稿とSeller Forumsでは、実際のSeller Central画面から機能が消えたという声が出ています。

重要なのは、この変化を「顧客に連絡できなくなった」で終わらせないことです。Amazonのレビュー運用は、後から個別連絡で挽回する方向から、レビューが悪化する前に商品・広告・ページ・配送を整える方向へ進んでいます。

低評価レビューが出た時だけ対応するのではなく、返品理由、レビュー本文、検索語句、商品ページ、広告費を一緒に見る。これが、Contact Customerに頼らないAmazon運用の基本になります。

GoalTechでは、Amazon広告のACOS改善だけでなく、レビュー、商品ページ、検索語句、在庫、利益をまとめて見た運用改善を支援しています。広告成果が急に悪化した時は、入札だけでなくレビューと商品体験まで含めて診断することが重要です。

出典・参考文献