過去30日間の最安値より、さらに1%以上の値下げが必要に

※本記事は2026年8月1日時点のAmazon公式情報に基づいています。

Amazonは、2026年ブラックフライデー以降のタイムセールについて、価格設定基準を変更すると発表しました。

今回の変更で重要なのは、過去30日間の最安水準と同じ価格を設定するだけでは、タイムセール価格の要件を満たせなくなる点です。新基準では、過去30日間の出品価格の下限よりも、さらに1%以上低い価格を設定する必要があります。

これまで同じ価格帯でタイムセールを繰り返してきた出品事業者にとっては、セールの実施頻度やクーポンの配布時期、利益率の管理方法を見直す必要がある変更です。

Amazonが発表したタイムセール価格基準の変更

Amazonの公式発表によると、新しい基準は2026年ブラックフライデー以降のタイムセールに適用されます。

変更内容を簡単に整理すると、次のようになります。

項目

従来

新基準

基準となる価格

過去30日間の出品価格の下限

同左

必要なタイムセール価格

下限価格と同額でも可

下限価格より1%以上低い価格

過去30日間の下限が10,000円の場合

10,000円でも可

9,900円以下が必要

ポイント施策

最低価格の計算対象外

引き続き対象外

たとえば、ある商品の過去30日間における最安出品価格が10,000円だった場合、従来は10,000円のタイムセール価格でも要件を満たせました。

しかし、新基準では10,000円より1%以上低い価格、すなわち9,900円以下に設定する必要があります。

Amazonは変更の目的について、ピーク期間中のタイムセールで購入者がよりお得感を感じられる価格を提供し、タイムセールの認知度やコンバージョン率の向上につなげるためと説明しています。

新しい対象基準は、告知から90日以上経過した後、2026年ブラックフライデーに先立って適用される予定です。2026年ブラックフライデーの具体的な開催日は、2026年8月1日時点では発表されていません。

詳細はAmazon公式の「ブラックフライデーウィークのタイムセール価格設定要件変更のお知らせ」で確認できます。

同じセール価格を繰り返す運用は難しくなる可能性

今回の変更で特に注意したいのが、短い間隔でタイムセールを繰り返している商品です。

過去のタイムセール価格も、次回の価格判定に使われる過去30日間の価格履歴に含まれます。そのため、前回のタイムセール価格が期間内の最安値として残っている場合、次回はその価格よりさらに1%以上低い価格を求められる可能性があります。

これまでは、同じタイムセール価格を設定し直す運用でも要件を満たせる場合がありました。今後は、同じ価格でタイムセールへ継続参加することが難しくなり、短期間でセールを繰り返すほど価格と利益率への圧力が強まる可能性があります。

ただし、これは「タイムセールを実施するたびに、永久に価格を下げ続けなければならない」という意味ではありません。価格上限は、過去30日間の価格だけでなく、ASINの比較対照価格、新品コンディションの最低価格、Amazonが参照する他の価格指標など複数の要素から計算されます。

また、30日間タイムセールを休めば必ず以前の価格へ戻せるとAmazonが保証しているわけでもありません。実際に設定できる価格は、Seller Centralに表示される価格上限や「必要なアクション」を確認する必要があります。

クーポンは計算対象、ポイント施策は除外

新基準では、過去30日間の出品価格の下限を計算する際、次の価格施策が含まれます。

  • 過去のタイムセールにおけるプロモーション価格
  • クーポン
  • 価格の割引

一方、ポイントとポイントプロモーションは最低価格の計算から除外されます。

この違いは、ブラックフライデー前後の販促計画を立てるうえで重要です。

Amazonの一般的なタイムセール活用ガイドでは、イベントの1週間前からクーポンを設定して認知や閲覧数を高める方法や、イベント後もクーポンを設定して売上低下を抑える方法が紹介されています。

しかし、新基準ではクーポン価格も過去30日間の価格履歴に含まれます。ブラックフライデー直前に低いクーポン価格を設定すると、その価格がタイムセール価格の基準に影響する可能性があります。

従来の「イベント前にクーポン、イベント本番でタイムセール」という運用を継続する場合も、クーポン価格とタイムセール価格を別々に決めるのではなく、30日間全体の価格設計として管理する必要があります。

ポイント施策は最低価格の計算から除外されますが、タイムセールの参加条件や利益確保とは別の論点です。ポイント原資、利益率、表示上の訴求力を確認したうえで使い分けましょう。

出品事業者がブラックフライデーまでに準備すべきこと

1.ASINごとの価格履歴を管理する

通常価格だけでなく、タイムセール、クーポン、価格割引を含めた過去30日間の価格履歴をASIN単位で記録します。

Seller Centralの画面だけで判断するのではなく、実施日、施策の種類、割引後価格、粗利率を一覧化しておくと、次回のタイムセールで設定可能な価格を予測しやすくなります。

2.販促カレンダーを30日単位で設計する

スマイルSALE、プライム感謝祭、ブラックフライデーなどへ連続参加する場合は、それぞれのイベントを単独で考えず、前後30日間の価格履歴を含めて設計する必要があります。

特にブラックフライデーを最重要イベントとする商品では、直前のセールやクーポンによって価格基準を下げすぎないよう注意が必要です。

3.値下げ可能な下限価格を決める

商品原価、Amazonの販売手数料、FBA関連費用、広告費、タイムセール手数料を含め、利益を確保できる最低販売価格を算出します。

Amazonの告知では、タイムセールの申請期間を7月27日から11月25日までとしています。また、9月30日までに申請すると前払いプロモーション手数料が500円割引されます。

告知に記載された手数料は、前払い手数料がプロモーション1件あたり600円、変動手数料がプロモーション価格での売上の1.0%、上限20,000円です。実際の申請時には、Seller Centralに表示される最新条件を確認してください。

4.価格施策とポイント施策を使い分ける

すべての商品で一律にタイムセールへ参加するのではなく、商品ごとの目的と採算に応じて施策を分けます。

新規顧客の獲得や在庫消化を優先する商品で価格割引を検討し、価格履歴への影響や利益率を守りたい商品ではポイント施策を含めて比較するなど、役割を明確にすることが重要です。

5.タイムセール開始前にSeller Centralを確認する

Amazonは、タイムセール開始の2週間前から調整を開始できると案内しています。更新が必要なタイムセールは、Seller Centralの「プロモーションの管理」にある「必要なアクション」で確認できます。

事前に申請できた場合でも、開催直前の価格履歴によって修正を求められる可能性があります。申請時点だけでなく、開催2週間前から定期的に状態を確認しましょう。

まとめ:価格ではなく「30日間の販促設計」を管理する

今回の変更は、単純にタイムセール価格を1%下げれば済むという話ではありません。

過去のタイムセールやクーポン、価格割引が30日間の価格履歴に含まれるため、出品事業者にはイベントを横断した価格管理が求められます。

これまでのように、毎回同じセール価格を設定する運用は難しくなる可能性があります。今後は、どの商品をどのイベントで値下げするのか、どの商品はポイント施策も含めて比較するのかを事前に決めることが重要です。

2026年ブラックフライデーの具体的な日程と、各商品の価格上限が表示されたら、Seller Central上の条件を改めて確認しましょう。

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出典・参考文献