要点

  • Amazon Ads Agentは、Amazon Adsコンソール内で広告運用や分析を支援する会話型AIです。 メディアプランからのキャンペーン構成作成、複数キャンペーンの調整、ターゲティング提案、Amazon Marketing Cloud(AMC)のSQL生成などを支援します。
  • 日本で公式に確認できるのは、AMCでの分析支援とメディアプランからのAmazon DSPキャンペーン作成です。 一括最適化とキャンペーンターゲティングは、公式ヘルプ上、南北アメリカの一部の国に限定されており、日本での提供は確認できません。
  • AIが作ったSQLや変更案を、そのまま実行しないことが重要です。 Ads Agentは確認・修正・承認を前提とする仕組みであり、期間、ID、除外条件、集計粒度を人が点検する必要があります。

Amazon Ads Agentは、Amazon Adsの計画・開始・最適化を会話形式で支援するAIアシスタントです。一般的なチャットAIと異なり、Amazon AdsやAMCの業務画面に組み込まれ、広告運用に近い場所で作業を進められる点が特徴です。

一方、「Amazon広告をAIへ丸ごと任せられる機能」と考えるのは早計です。Amazon Adsの公式説明では、Ads Agentが変更案をまとめ、広告主が内容を確認・修正・承認した後に反映する設計とされています。導入時は、利用できる機能、権限、制約、承認方法を分けて確認する必要があります。

Amazon Ads Agentとは

Amazon Adsの公式製品ページでは、Ads Agentを、エージェントAIとAmazonのファーストパーティインサイトを組み合わせて複雑な広告タスクを支援する機能と説明しています。Amazon Adsコンソールの会話型UIから利用します。ただし、Ads Agentの公式ヘルプによると、提供範囲は機能ごとに異なります。

領域

公式に確認できる機能

公開範囲と日本での確認状況

キャンペーン作成

メディアプランからキャンペーン構造と広告グループを作成

世界で提供。日本・日本語対応も公式発表で確認済み

一括最適化

ペース、予算、配信率などを会話形式で調整

南北アメリカの一部の国に限定。日本提供は未確認

キャンペーンターゲティング

関連するオーディエンス候補を提案

南北アメリカの一部の国に限定。日本提供は未確認

AMC分析

オーディエンスSQL、分析SQL、製品サポート

世界で提供。日本は公式発表の対象地域に含まれる

Ads Agentは、外部AIとAmazon Ads APIを接続する「Amazon Ads MCP Server」や、広告素材制作を支援する「Creative Agent」とは役割が異なります。Ads Agentはコンソール内の運用・分析支援、MCP Serverは外部AIとのAPI接続、Creative Agentはクリエイティブ制作が中心です。接続要件や権限設計は「Amazon Ads MCP Serverとは?」、Amazon広告AI全体の整理は「Amazon広告のAIエージェント完全ガイド」をご覧ください。

Ads Agentでできることと公式の提供範囲

AMCの分析支援

Amazon Adsは2026年3月31日、AMCにおけるAds Agentのインタラクティブ機能強化を発表しました。AMCでは自然言語からSQLを生成できるほか、既存SQLの説明・修正、変更前後の比較、承認・拒否まで同じ導線で進められます。具体的なプロンプト設計とSQLの確認方法は「Ads Agent×AMCガイド」をご覧ください。

また、2026年4月16日の公式リリースでは、メディアプランからAmazon DSPキャンペーンを作成する機能が日本を含む対象地域へ拡大し、日本語を含む18言語・27の言語バリエーションに対応したと発表されています。利用可否はAmazon DSPやAmazon Ads広告プランナーの契約・権限・画面表示で確認してください。

Ads Agent以外のCampaign Manager、Creative Agent、動画広告まで横断して確認したい場合は「Amazon広告AI・制作・運用の横断ガイド」をご覧ください。

AIに任せきれないこと

Ads Agent in AMCの公式ヘルプでは、自然言語からオーディエンスSQLと分析SQLを生成するほか、AMCの概念、データセット、機能に関する質問、追加質問、クエリ修正、SQLのコピー、クエリエディターへの転送に対応すると説明されています。

ただし、Ads Agentは万能なデータ検索機能ではありません。公式ヘルプとSQL生成のベストプラクティスでは、次の制約と確認事項が示されています。

  • 広告主がAMCへアップロードしたデータセットをAds Agentは認識せず、SQL生成に使用しない
  • キャンペーンID、ASIN、キーワード、オーディエンス名の一覧を自動検索しない
  • 正確な値が必要な場合はプロンプトへ記載するか、生成SQLを人が編集する
  • JOIN、期間、フィルター、テーブル名、列名、AMCで使える構文を実行前に確認する
  • AIは誤る可能性があるため、重要な情報と集計結果を再確認する

生成SQLを利用するときは、期間、購入の定義、対象ASIN、除外条件、分析用かオーディエンス作成用かを明示し、実行結果の母数まで確認します。AMC分析の基本は「Amazon Marketing Cloud入門」、プロンプトとSQLの実務は「Ads Agent×AMCガイド」で詳しく解説しています。

日本で使える?対象者・料金・権限

2026年9月9日に確認した公式製品ページでは、Ads Agentの対象地域に日本が含まれています。ただし、これは全機能が日本で使えることを意味しません。公式ヘルプでは、メディアプランからのキャンペーン作成とAMC分析支援は世界で提供、一括最適化とキャンペーンターゲティングは南北アメリカの一部の国に限定されています。日本で利用を検討する場合は、前者2機能を確認済みの範囲とし、後者2機能は自社画面とAmazon Ads担当者への確認が必要です。

Ads Agent自体の利用料は無料と案内されていますが、広告配信費、Amazon DSP、AMCのPaid Features、外部データ、制作、代理店支援まで無料になるわけではありません。対象地域や機能は変更される可能性があるため、導入時に最新の公式ヘルプと自社画面を確認してください。

利用開始にはAmazon Adsアカウントと、対象機能に応じたAMCまたはAmazon DSPへのアクセスが必要です。AMCのアクセス方法に関する公式ヘルプによると、スポンサー広告主はinstant accessを使い、自社のスポンサー広告アカウントに紐づくAMCインスタンスを作成できます。一方、複数広告主やAmazon DSPのデータを含むインスタンスは、Amazon Ads担当者またはパートナーへの申請が必要です。組織のAMCアカウントへ招待されたユーザーは、AMC管理者から対象インスタンスへの権限付与を受けます。

導入前には、次の4点を確認してください。

  1. 自社アカウントにAds Agentまたは「Ask AI for AMC help」が表示されるか
  2. 対象のAMCインスタンス、広告主、Amazon DSPへアクセスできるか
  3. 提案内容を確認・承認できる担当者と権限が決まっているか
  4. 広告費、Paid Features、データ連携、運用支援を含めた総費用を把握しているか

EC事業者・代理店が確認したい導入・運用ポイント

Ads Agentの導入では、最初から予算変更やキャンペーン停止を任せるのではなく、読み取り、SQL案、レビューの順に範囲を広げる方法が安全です。

段階

実施内容

完了の目印

1. 目的を決める

分析したい問い、対象期間、KPI、除外条件を定義

人が同じ条件を説明できる

2. 読み取りで試す

AMCの質問、SQL生成、説明機能を使う

元データと集計結果が一致する

3. 差分を確認する

生成SQLと修正前SQLを横並びで比較

JOIN・期間・条件をレビュー済み

4. 承認を記録する

採用・修正・却下、承認者、日時を残す

後から判断理由を追跡できる

5. 効果を測る

作業時間、再修正数、分析活用、広告成果を分けて評価

AI利用前後を同じ定義で比較できる

GoalTechでは、AIの回答回数ではなく、分析から意思決定までの時間、差し戻し、実施した施策、最終的な売上・粗利を分けて記録することを推奨します。SQL作成が速くなっても、誤った期間や母数で判断すれば成果にはつながりません。

Amazon Ads Agentの導入・運用を相談する

Amazon Ads Agent、AMC分析、Amazon Ads MCP Serverを含む運用体制を整理したい方は、GoalTechのAmazon広告・AI活用支援をご確認ください。

出典・参考文献

※提供地域、対象アカウント、機能、料金、権限、仕様は変更される可能性があります。導入時はAmazon Adsコンソールと最新の公式情報をご確認ください。